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2009年01月16日更新
「領土問題」

吹浦  忠正

    
  麻生首相は1月14日、首相官邸でロシアのミロノフ上院(連邦院)議長と会談した。

  その際、ミロノフ議長は
「領土問題は
① 次世代にゆだねない、
② 双方の受け入れ可能な解決策、
③ 極端な立場から離れる
の3点を指摘した(産経新聞)」。
  問題はこの③である。

  麻生首相は、まさか唯々諾々として、それで結構といったわけではないだろうと信じたい。

  しかし、ロシア側の「極端な立場」というのは、日本側がが4島の返還を求めることなのだ。

  これは「ロシアもゼロ回答はしないよ。歯舞・色丹は引き渡すよ」ということであり、いわゆる「2島返還で平和条約」という2島返還論である。

  せいぜい、「他の2島、すなわち、国後・択捉は共同開発」と言ってくるだろうが、これは単に「日本からお金をもらいましょう」というだけのこと。

  日本が放棄すべき極端な議論は、「南樺太、千島の返還」であり、それは、日本共産党と右翼以外はとっくに妥協していることであり、両国は1991年のゴルバチョフ・ソ連大統領の訪日や、1993年のエリツィン・ロシア大統領の訪日時の共同声明で、4つの個々の島の名前を列挙し、この問題を解決して、日露平和条約を締結することで一致している。

  つまり、4島返還は日本にとって「正札」であり、かけ値がない要求であるという提示額なのである。

  それ以外では、「双方が納得できない」、つまり、日本側は納得できないものであることを、首相も外交当局も、今一度、しっかりとロシア側に迫る必要がある。

  4島中、わずか7%の歯舞・色丹でよいというのなら、1956年の日ソ交渉で、「日ソ共同宣言」ではなく、「日ソ平和条約」ができたわけで、この50年余、いったい日本国民と政府はあげて何をやってきたかということになる。

  この点は拳拳服膺、日本側は矜持を保ちロシア側を説得しなくてはならない。そのほかの政治・経済・文化などさまざまな分野での協力は、この問題が解決してこそ初めて、大きく進展が図られるべきことであり、そこはロシア側にとって、大きなメリットになるに違いないことも、知らしめる必要がある。

  もちろん、日露間の懸案の解決は、日本にとってもエネルギーや他の金属資源輸入のルート確立を始め、さまざまな面で国益にかなうことは言うまでもない。

  要するに、北方領土問題の解決は4島の返還ということであり、それが双方にとって、プラス・サム・ゲームであることを、しかと説得するほかない。




吹浦 忠正:ユーラシア21研究所理事長